障がい者の就労を広げようと、三重県四日市市の六つの就労移行支援事業所が手を結び、「四日市障がい者就労移行支援事業所ネットワーク」を発足させた。ひとつの事業所では難しいことも、互いの長所を生かして協力すれば突破できるはずと考えた。毎月の定例会も始まっており、新年度には障がい者雇用の拡大につなげるパンフレットも作成する計画だ。【ネットワークを発足させた就労移行支援事業所のみなさん。=四日市市諏訪町】
ネットワークをつくったのは、ユニバーサル就労センター(諏訪栄町)、希望の集 ひなが(日永2丁目)、障碍者ITカレッジ四日市(中浜田町)、ディーキャリア四日市オフィス(安島1丁目)、ウェルビー四日市センター(三栄町)、四季の里 みのり工房(西日野町)の6事業所。1年目の若い事業所もあれば、10年の経験がある事業所もある。
就労移行支援事業所では、障がい者が学校に通うようにして仕事の知識や技術を学べるほか、就職の支援も受けられる。事業所同士は、公的機関などを含めた大きな会議で顔を合わすことはあったが、仕事上はライバル関係にあることもあって、それぞれが個別に課題に立ち向かっていたという。
今回、ネットワークの代表幹事を務めることになった松井周さんは「事業所ごとに支援できる得意分野に特徴があり、協力することで互いを高め合うこともできる。それぞれの企業などとのつきあいもあり、今後、就労先の幅もより広げられるのではないかと考えている」と連携の効果を語る。
月例会議では、個々の就労の事例検討などもしているといい、今後、障がい者雇用についての企業側のニーズを把握するほか、事業所向けの研修会を開いて支援する側の能力や技術も上げていきたいという。