三重県四日市市の稲垣鉄工、中村製作所と同県菰野町の前田テクニカの3社が2月25日、合同運動会を四日市ドームで開いた。新型コロナの影響で社内イベントも開けなくなっていたが、久しぶりの解放感の中、3社対抗方式で勝負にも少々こだわり、社員や会社間の交流を深めた。【綱引きで力を振り絞る社員たち=四日市市羽津甲の四日市ドーム】
稲垣鉄工、中村製作所、前田テクニカのそれぞれの代表取締役、稲垣法信さん、山添卓也さん、前田昌彦さんは、三重県中小企業家同友会で学ぶ仲間でもあり、社員が自ら考えることを大切にする社風が3社で共通している。稲垣鉄工の社内で「運動会を開きたい」と声があがり、「それなら社外にも声をかけよう」と、今回の企画になったという。社員の実行委員会は昨秋から準備を重ねてきた。(選手宣誓する、左から前田昌彦さん、稲垣法信さん、山添卓也さん)
四日市ドームには家族らを含め200人余が集まり、開会式で稲垣さん、山添さん、前田さんの3人が一緒に選手宣誓をした。大玉転がしを皮切りに、袋入りのパンをくわえるのが意外に難しかった障害物競走、綱引き、子どもたちも一生懸命になった玉入れなどで競い、最後は、リレーで勝敗を決めた。総合成績で今回は前田テクニカが優勝を勝ち取った。
実は、7年ほど前、3社でソフトボールをしたことがあるといい、より多くの社員らが参加できる運動会を開きたいね、と話題にしたことがあったという。コロナ禍もあって遅れたが、今回の運動会はその実現にもなった。
閉会式では実行委員のメンバーも紹介され、代表して稲垣鉄工社員の伊東孝人さん(29)が「忙しい中、みなさんの力で運動会が実現して、本当に感動しかありません。来年もぜひ開きたいです」などとあいさつした。
稲垣鉄工は1976年創業、1981年設立の会社で、「ミリ単位にこだわってつくる鉄骨で建物を内側から支える」など鉄の職人集団を標榜している。中村製作所は1969年設立で、「空気以外なんでも削ります」と宣言する精密部品などの加工会社。前田テクニカは1971年設立で、「少量プレス板金加工の駆け込み寺」を発信するプレス・板金加工の専門メーカー。