三重県四日市市の茶室「泗翠庵」で、2月28日まで「萬古作家のお茶碗でお茶を楽しむ2023冬」が開催中だ。現代萬古陶芸作家27人が精魂込めて制作した茶碗の中から好きなものを選んで茶をいただける企画で、古くからの茶碗らしい作品から現代的な感覚の外観をもつ作品まで、作品の幅広さに選んでいることを忘れそうだ。【作家たちが気持ちを込めた茶碗が並ぶ立礼席の様子=四日市市鵜の森1丁目】
四日市市文化まちづくり財団の主催で、2006年2月から始まり、夏(8月)と冬(2月)の年2回開いてきた。毎年続いていた陶芸展の記念の企画にと開いたところ好評で、長く続くことになったという。「泗翠庵」の立礼席を会場に、お点前は四日市茶道教授連盟の四つの流派(松尾流、遠州流、表千家、裏千家)が日替わりで担当している。
会場に並ぶ茶碗27点は、作者や茶碗の作品名が分かるようにしてあり、見比べることができる。伊勢志摩サミットでも作品が使用されたという稲垣竜一さんと清水酔月さんの、それぞれ「銀龍茶碗」と「萬古盛絵茶碗」、茶碗の内側のピンク色が特徴で、外側をウクライナカラーにした森一蔵さんの「睲臙脂彩(しょうえんじさい)ウクライナ文茶碗」、茶碗にビルが描かれた水谷満さんの「冬の四日市駅前百景」など時代を感じさせる作品もある。(ウクライナカラーの茶碗と、四日市のビルが描かれた茶碗)
和菓子つきで一服500円。午前10時~午後4時で、席入りは午後3時40分まで。月曜休館。