「思い出がいっぱい、ありがとう」
四日市市芝田に1978年「シェトワ白揚」として開店し、現在は「TSUTAYA四日市店」として営業する同店が3月31日(金)で閉店することとなった。書籍や雑誌、レンタル、ゲームなどを取り扱い、多くの人の思い出に残る中、45年の歴史に幕を閉じる。【3月31日に閉店するTSUTAYA四日市店=四日市市芝田】
同店が入る建物は、老朽化が進み、建て替えることになったことから、退去することとなった。開店当初はロードサイドの大型書店は珍しく、同業者からも注目を集めるほど。運営会社の株式会社白揚が、株式会社いまじん(愛知県春日井)と2001年に業務提携し、現在は「いまじん白揚」の社名で運営する。
以前は、現在の店舗西側に二階建ての別館を構え、ゲーム販売やCD・DVDのレンタル事業も展開していたことも。専門書なども多く取り扱い、幅広いニーズに応えてきた。
ブームとなったゲーム機やソフトなども販売。発売当時に社会現象ともなった「ドラゴンクエスト3」や「プレイステーション」なども扱い、「白揚にいけばあるよ」と幅広い世代が目当てのものを求め店へ足を運んできた。
「子どものころから大好き」
1月16日、店内のパネルや店のSNSサイトで閉店のことを発表。告知を見て「そうなんですか」と驚く人も。子どもの頃から通っていた市内の40代女性は「子どもになっても、大人になっても通っていました。寂しいですが、ここで手に取った本がきっかけで本当にたくさんの思い出があります」と話す。親子で今も通う40代の男性は「何かあればふらっと立ち寄り、趣味や仕事、子どもへのプレゼント、いろんなシーンが浮かんでくる」と語る。
2020年新型コロナの感染拡大により、時間短縮営業などの対応もしたが、「おうち時間」を過ごすため、コミックや参考書などを買い求める人が多くなったことも。映画も大ヒットした「鬼滅の刃」の関連商品も好調な売れ行きだったそうだ。
同店の川畑輝恭店長(59)は「閉店は本当にご利用いただいてきたお客様に申しわけない気持ち。長きにわたってご愛顧いただき、本当に感謝です」と話していた。
レンタルの貸し出しは2月21日で終了。現在の営業時間は午前9時から午後10時まで。近隣店舗にはTSUTAYA笹川店(同市日永西2)があり、会員証は利用できる。道路を挟んで東側の文具館は継続して営業する。
YOUよっかいちでは紙面企画「おすすめ本」の執筆を2008年から同店へ依頼。ジャンル別の紹介が公表だ。
【店内に設置された閉店を告知するパネル】