自主的な防犯活動を地域で続ける四日市市地域防犯協議会(伊藤昭会長)の講演会が1月15日、市総合会館で開かれた。毎月の情報交換の活動とは別に、多くの人に防犯やこの会の活動に触れてもらおうと開いている。新型コロナ感染拡大の影響もあり、今回は3年ぶりの開催で、三重県警による最近の犯罪状況の説明や、実際の活動の紹介があり、約100人が熱心に聞いた。【八郷小学校の地域の活動は、女性2人が演劇の要素を取り入れて紹介した=四日市市諏訪町】
この日のテーマは「自分たちのまちは自分たちで守ろう!防犯活動で犯罪抑止」。前半の講演では、県警生活安全企画課の高橋将一さんがグラフなどを示しながら解説した。県内の刑法犯認知件数は2002年からおおむね減少傾向にあるが、昨年はやや増加した。空き巣、忍び込みなどが増え、短時間でも「確実な施錠」が必要だという。また、自転車盗も増えている。
オレオレ詐欺などの特殊詐欺も被害は続いている。電子マネーを使ったり、キャッシュカードをだまし取ったりする手口も増えている。県警は企業や地域団体などと協力し、注意を喚起するチラシを届けるなどしている。お年寄りだけでなく、だれでもだまされる可能性があることを認識すべきだという。
後半は、市立八郷小学校の丹羽喜美子校長と、同小学校コミュニティスクール運営協議会の小﨑万理子委員がスクリーンの左右に立ち、演劇のように登場人物の母子らを2人で演じながら、地域の多くの人たちの見守りの中で子どもが成長していることを紹介。将来、子どもたちが大人になって、次の世代の子どもたちを見守る、いい循環が続くことを願う内容だった。
四日市市地域防犯協議会は、自主防犯活動をする団体と警察署、四日市市の3者が連携し、安心、安全なまちづくりを進めようと2004年に設立された。伊藤会長はこの日のあいさつで「子どもを無事に育て、高齢者を詐欺被害から守るなど、いろんな形でアピールしていきたい。すきまのない防犯活動のため、非常に大切な仕事であると考えている」などと決意を語った。