【医療ナビ】冬の感染症 広がらない工夫を

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 新型コロナウイルスの影響が続くなか、インフルエンザやノロウイルスなど、あらゆる感染症への注意が必要な時期となった。「冬は寒さから換気の回数が減り、感染リスクが高まる。この時期こそ換気や手洗いなどの対策を」と医療法人みき会渡辺医院(四日市市富州原町)の渡辺真也院長は話す。【発熱外来に使用するドームを説明する渡辺院長=四日市市富州原町で】

新型コロナ インフルエンザ ノロウィルス

 特に流行する可能性があるのは、新型コロナ、インフルエンザ、ノロウイルスの3つ。どれも感染力が強く、症状が似ているため、「区別がつきにくい場合も多い」という。

 ノロウイルスは手指や食品などを介して経口感染し、人の腸管で増殖して、おう吐や下痢、腹痛などを引き起こす。一方、インフルエンザや新型コロナウイルスでも下痢の症状が出ることがある。発熱やせきは、インフルエンザと新型コロナの双方でよく見られる症状だ。

 また、新型コロナとインフルエンザの同時流行は十分に考えられるという。昨年の夏は南半球でインフルエンザが流行し、オーストラリアでは重症化する人も多かったそうだ。

 渡辺院長は「過去2年間、国内ではインフルエンザが流行しなかった。そのため免疫が低下し、流行が始まるとあっという間にひろがる可能性がある」と指摘。特に現在3歳未満の子どもは生まれた時からコロナ禍にあり、衛生状態に注意が払われたためあらゆる感染症に免疫が弱く、注意が必要だという。

自宅に用意するべき3アイテム

 昨夏は、四日市市内でも医療体制がひっ迫し、「電話がつながらない」「受診できない」といった状況が続いた。発熱した時のため、この冬にぜひ自宅に備えたいのが「抗原検査キット(体外診断用)」「解熱剤」「経口補水液」の3つのアイテム。発熱などがあった時にキットがあれば、家庭で検査ができ、陽性者登録をすることができる。

 解熱剤も、市販のもので良いので用意しておくべき。また、ノロウイルスや新型コロナの感染者の中には水分補給が十分にできず、脱水症状となり点滴治療をする場合もある。適切な水分補給のためにも、経口補水液の用意は効果的だ。

 すぐにできる感染対策は換気だ。冬の寒さから回数も減ってしまうが、理想は対角線上に空気の流れを作ること。換気扇を使うなど、空気がよどまない工夫が感染拡大を防ぐことにつながる。渡辺院長は「完全に感染を防ぐとは難しい。だからこそ、広げないように努めることが大切だ」と話した。

(2023年1月10日発行 YOUよっかいち第215号)