五輪選手も出場するニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝競走会)が、2023年1月1日に群馬県で開かれる。7区間全長100kmのコースで「元日」に日本一をきめる熱き戦いに、NTN(桑名市)に所属する菰野町出身の坂田昌駿選手(28)が出場、新春の上州路を駆け抜ける。【ニューイヤー駅伝に向けて練習に励む坂田選手=桑名市のNTN総合運動公園(2022年12月27日撮影)】
菰野中学校で陸上競技を始めた坂田選手は、長距離走の強豪伊賀白鳳高校(伊賀市)に進学し、全国高校総体や全国高校駅伝に出場した。卒業後は法政大学に進学し、箱根駅伝にも2度出場した。
大学卒業後は中央発條(愛知県)へ、2018年から5年連続ニューイヤー駅伝に出場。1区と3区で経験を積み、中央発條のエースとしてチームをけん引してきた。トラックレースの5000mで13分40秒67、マラソンの自己ベストは、21年に出場したびわ湖毎日マラソンで記録した2時間12分21秒。トラックレースのスピードをロードでも生かす、スピードタイプのランナーだ。
移籍後に不振も妻のサポートで復活
NTNには22年4月に移籍。1日5時間ほど通常業務をこなし、練習では30kmから40 kmほど走りこむが、環境が変わり、今までのような結果が出せなくなった。
そんな中、6月に結婚。妻は練習内容やレースに合った食事を作り、今までのように走れるようになると信じ、励ましてくれた。生活における最愛の伴走者のサポートは心強く、その甲斐があり、11月13日に開かれたニューイヤー駅伝の予選となる中部実業団対抗駅伝で区間3位(オープン参加を除く)、2週間後の八王子ロングディスタンスの10000mでも28分35秒17のセカンドベストを出し、完全復活を果たした。
集団走からスパートをかけるスタイルの走りで、ニューイヤー駅伝では「ラスト1キロでスパートをかけ勝負に出る」という。
ニューイヤー駅伝後は「大阪マラソン」に出場し2時間7分台を目指し、パリ五輪の出場権を賭けるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場を目指す。「移籍し地元の菰野町が近くなったので、ニューイヤー駅伝やマラソンで活躍する身近な存在として、夢を与えるランナーでありたい」と語った。