発想は「ニワ」+「ミチ」
中央通りの整備は近鉄四日市駅西の西浦通りからJR四日市駅までの約1.6キロ、幅約70メートルで行われる。近鉄駅東では、国の新バスターミナル(バスタ)や、並木道などを広げた空間をつくり、車道は車線を減らしてクスノキ並木の南側に集約する。
新バスターミナルは、近鉄駅東西に分散していたバス乗り場を集約する。市外から来た人には分かりやすくなりそうだ。
このほか、国道1号までに、東海道を意識した広場などが整備される。近鉄駅東の「スターアイランド」跡地(現在は駐車場)には新しい図書館、商業施設、マンションなどが入る新ビル構想がある。
国道1号から三滝通りまでの区間では、今秋、「はじまりのいち」が開かれた。出店などが並んだ「カルチャー&チャレンジエリア」のクスノキ並木で休日の平均が1800人余、スケートボードパークをつくった「パークエリア」ではイベント最終日の10月16日に延べ2300人余が利用した。何かがある期待感があれば、多くの人が集う可能性がうかがえた。
通り全体には「ニワミチ」という考え方が投影されている。クスノキ並木に象徴される自然や緑の「グリーンインフラ」を「ニワ」とし、そこを、ただ通り過ぎるのではなく、寄り道をして歩ける「ウォーカブル」な「ミチ」。「グリーンインフラ×ウォーカブル」の発想という。
港へ自由通路
JR四日市駅周辺と四日市港地区を結ぶ議論も始まっている。市議会の一般質問では、JR駅から(国道23号を超えて)港方面を結ぶ長さ270メートルの自由通路についてやりとりがあり、市側が「中央通りから港への連続性を重視し、(中略)電動キックボードなどの次世代の移動手段も視野に入れた幅員の確保に努める」などと回答している。
JR駅周辺に県立大学を含む新しい大学や企業の研究所などを誘致する構想もある。港地区では「BAURAミーティング」などで新しい港の街づくりが議論された。自由通路の役割が注目される。
※2022年12月3日(214号)発行 紙面から