茶色の女子の制服が有名な三重県立四日市商業高校の制服が、約60年ぶりに改定され、11月25日、同校が発表した。2023年度の入学生から正式着用が始まる。伝統ともいえる茶色は残り、性の多様性に対応できるよう、組み合わせも自由なジェンダーレス制服になる。【発表された新しい四日市商業高校の制服=四日市市尾平町】
これまでは、女子はボレロ(上着)、ジャンパースカート、リボン付きブラウスの組み合わせで、男子は黒の詰襟服だった。ブレザー型のジェンダーレス制服は、スラックス、スカートとの組み合わせだけでなく、ボタンの右前、左前も選べる。胸に校章のデザインのエンブレムを初めて採用した。夏はポロシャツになるが、ブラウスで過ごすことも可能という。スカートのタータンチェック柄に車ひだのプリーツは生徒たちの意見も取り入れての採用という。
同校は1896(明治29)年、私立の商業高校として生まれ、商業高校としては全国で18番目、三重県内の県立高校では2番目の長い歴史がある。第二次世界大戦の空襲で焼失するなど数回の移転ののち、1963年に現在の尾平町に移ったが、その時に現在の制服の基本的なデザインが決まったという。
とくに女子は長く制服が変わらなかったために、親、娘、孫娘が同じ制服を着ることができたり、先輩の制服を後輩がもらったりすることができた。茶色の女子の制服はシンボルで、同校とタカラトミーのコラボで、同校の制服を着たリカちゃん人形の製品をつくったりもした。(リボン付きブラウスが斬新だったとされる現在の女子の制服)
渡邊浩司校長は「周辺の中学校でも男女共通のジェンダーレス制服が採用されており、時代の流れに対応していく意味でも改定の必要があった」と話した。