民族衣装から知るウクライナ、四日市で11月24日から写真展

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 軍事侵攻が続くウクライナへの関心が薄れないようにと、11月24日から三重県四日市市安島1丁目のトナリエ四日市で「ウクライナチャリティ写真展in四日市『シーリ』ウクライナ民族衣装の美」が開かれる。市内在住のウクライナ人、ポノマリョヴァ・アンナさんが、美しい写真を通じてこの国のことを知ってほしいと企画した。会場に募金箱を置き、集まった寄付金を全額、ウクライナの人道医療への支援金にする。【鮮やかな民族衣装。写真展の開催を呼びかけるチラシに使われている(写真はその一部を使用)】

 会場はトナリエ四日市の4階わくわく・ふれあい広場で、23枚の民族衣装の写真が展示される。初日は午後1時にオープニングセレモニーがあり、アンナさんのスピーチや関連のビデオ上映などが予定されている。

 開催趣旨によると、「シーリ」はウクライナ語で「親愛なる」や「誠実」を表す言葉。首都キーウで、ウクライナの民族衣装の美しさ、文化や伝統の素晴らしさを伝えることを目的に、2014年「シーリ」、2016年「シーリ~カラフル」、2018年「シーリ~祝日」の三つの写真プロジェクトが開かれた。

 写真に収められた民族衣装や飾りは博物館などに所蔵されたものや、歴史の専門家が昔の資料をもとに作成しており、衣装を着るモデルたちはウクライナの有名な歌手、芸術家、俳優、スポーツ選手ら。この企画はフランス、ポーランド、ラトビアでも開催され、ファッション雑誌「ELLE」の表紙にもなった。この企画での寄付金は医療や博物館の支援に活用されたという。

 アンナさんは、ウクライナでは今も多くの人が家を失い、亡くなっており、一方でウクライナに関する報道は減り、このままだと関心が薄れてしまうのではないかと懸念し、この企画を考えたという。

 写真展の実現に向け、四日市ライオンズクラブが写真パネルを寄贈、四日市印刷工業がチラシなどを無償提供、トナリエ四日市が会場を無償提供で協力したほか、四日市市と四日市市文化まちづくり財団も支援した。

 写真展は12月1日まで。入場無料。