地域で多彩な活動を続ける四日市交響楽団は今年で創立45年。11月26、27両日、6年ぶりに復活する四日市市民オペラで演奏する。新型コロナの影響で長く上演できなかった市民オペラは、楽団の活動の幅広さを発揮する場でもあっただけに、春の定期演奏会と合わせ、ほぼ完全復活の姿を聴衆に見てもらう機会になる。【6年ぶりの四日市市民オペラに向けて練習する団員のみなさん=四日市市西浦1丁目】
1977年10月に創立した楽団は、県内では二番目に活動歴の長い交響楽団で、アマチュアオーケストラながらオペラやバレエの公演をする全国でも数少ない楽団だ。現在、四日市、桑名を中心に、愛知県などからも通う20代~80代の60人余で活動している。四日市市文化会館が主な演奏会場だが、学校や病院への訪問演奏にも出かけている。
創立時からのメンバー、出口義明さん(84)は、いなべ市から練習にかけつける。名古屋の市民楽団に所属していたが、「四日市に本格的な交響楽団を」という当時の呼びかけに応じた。担当はビオラで、「仲間と一緒に演奏できることが何より楽しい」と話す。医師になった娘も、若い時はヴァイオリンを演奏する楽団の仲間だった。「オーケストラはその街の文化のシンボルといわれる。ずっと続いてほしい」。
四日市市民オペラは今年、第11回公演。プッチーニ作曲「ラ・ボエーム」を竹本泰蔵さん指揮、伊藤明子さん演出で上演する。主催は四日市市文化まちづくり財団と第11回四日市市民オペラ実行委員会。前回、2016年の演目「蝶々夫人」に続きプッチーニの作品となる。
楽団の水谷達団長は「新型コロナで私たちの定期演奏会も2020年には中止になり、オペラも延期されてきたが、やっと演奏できることになった。プッチーニの音楽は流れるような美しさがあり、『オペラは高尚なもの』と遠慮している人にも楽しさを感じてもらえると思う」と話している。
市民オペラは26日午後5時、27日午後2時の2回公演。いずれも四日市市文化会館第1ホール。チケットの問い合わせなどは文化会館(059・354・4501)へ。