手作りのフレームに50㏄未満のエンジンを搭載した車「ゼロハンカー」の「全日本高等学校ゼロハンカー大会」で、昨年準優勝した県立四日市工業高校(四日市市日永東)のモーター部。車好きやものづくりが好きな部員が奮闘している。
自動車科を中心に、他の科含む9人が所属。3年前、他校でゼロハンカーに関わった松田悠吾教諭が同部の顧問となり始めた。
溶接やなど授業で学んだことを生かす。経費を抑えるためハンドルなどは中古品を購入。故障したエンジンの部品を交換調整し、作動した時は「よっしゃー」と歓声があがり、達成感を感じる。練習や大会に溶接機や予備のエンジンを携行。大会では車検を受け、燃料はハイオクを使用するなど本格的だ。「未来を担う学生の力になりたい」といなべモータースポーツランドが練習場所を、ダイハツ三重が部品を提供する。
部長の福本瑛斗君(3年)はドライバーも務める。昨年練習中にハンドル操作を誤り3メートルの高さの崖から車ごと転落。福本君も車体も無傷で「死ぬかと思ったけど、いい経験ができた」と振り返る。昨年の大会の予選を1位で走行したが、ラスト数百メートル中他校にインコースを取られ決勝に進めなかった。先輩が乗った車が準優勝したので、今年は福本君がリベンジを狙う。
授業で溶接や車の整備は学ぶが、車を作り、走行させる一連の流れは同部でしか経験できない。福本君は「レース参戦も含め、今ここでしかできない体験ができる」と部の魅力を語った。
※2022年10月1日(212号)発行 紙面から