矢を的へ「中(あ)てる」ための鍛錬を重ねる中で、礼儀作法や集中力も身に着く弓道。創部37年の県立菰野高校(菰野町福村)弓道部は、今年の高校春季大会北勢地区予選の男子団体戦で3位入賞し、昨年は三重とこわか国体の代表選手を輩出するなどの実績がある。県新人戦での活躍を目指し、稽古に励んでいる。
2年生1人、1年生11人が所属、全員が高校から始めた。1年生は入部すると筋力トレーニングから始め、ゴム弓での練習、弓に矢をつがえず弦だけを引く素引き練習など地道な基本練習を徹底、7月から道着と袴をまとい、弓を引き始めた。
部長の平尾紗優実さん(2年)はテレビアニメ「ツルネ 風舞高校弓道部」を見て、その格好良さに憧れて入部。的に「中てる」のは思った以上に難しかった。それでも弓を引く時は、日常の嫌なことを忘れ集中でき、放った矢が的中すると爽快感を感じ、夢中になった。
2年生の部員が平尾さん1人で、部長になることが決まっていたが、人をまとめる自信がなく、重圧を感じた。その不安を、弓を引くのが好きという気持ちで乗り越えた。弓道を通し気持ちが強くなり、苦手だった体育の持久走も最後まで粘り、諦めずに走りきるようになったそうだ。3年生が引退し、新部長として新人戦で結果を残せるよう気持ちを引き締めている。「精神を鍛え成長したいと思う人は、弓道を始めてほしい」と魅力を語った。
※2022年9月3日(211号)発行 紙面から