地元出身の俳優・高川裕也さん(59)が脚本、監督を務め、四日市の方言がタイトルに使われた映画「GINAGINA」が今年12月に公開予定となった。
同市納屋地区で生まれた高川さん。放送中の「カンブリア宮殿」のナレータを務める。20歳で上京し俳優として活躍している。
映画のタイトルの「GINAGINA」は、四日市の方言で「ぼちぼち」「ゆっくり」という意味。意味や語感が気に入り、つけた。映画は還暦を前に主人公が職を失い、故郷の四日市に戻る。高齢化社会での自分の未来を見つめ途方に暮れ、何とかしようと立ち上がり右往左往し、「ぎなぎな」と進んでいく。
2020年、新型コロナ前に第一波の行動自粛期間に時間ができ、周りからの助言で映画制作を決意。翌年1月から取り掛かった。制作の経験はなく、それぞれの専門家に相談し、タイトル同様「ぎなぎな」と制作が進み、公開の目処が立った。
四日市ロケを決めたのは、映画の主人公と自分を重ね合わせたから。上京したころ、四日市には何もないと思っていたが、何度か帰省し、海と山があり自然豊かなこと、美味しい食べ物もあるなど魅力に気づいた。四日市旧港や、小学校の同級生だった渡邉美千代さんの夫が営む渡辺手延製麺所でロケを行った。
これまで、四日市で多くのロケが行われたが、別の都市という設定。「GINAGINA」は四日市を舞台にしたリアルな情景を感じることができ、高川さんは「映画館で四日市を感じてほしい」と話した。12月19(月)から21日(水)まで、午後6時40分からと午後8時からの名古屋市のシネマスコーレで公開。前売券(千円)は2か月前から劇場窓口で販売。
※2022年8月6日発行 紙面から