四日市市文化会館(安島)が、8月1日に開館40周年を迎えた。「『文化不毛の都市』という汚名を返上すべく」(四日市市史第19巻 通史編現代〈四日市市、2001年〉1045ページ)建設され、市民本位の運営を図ろうと設立された市文化振興財団(現・市文化まちづくり財団)が、ホール・展示・出版の3事業を柱に管理運営してきた。市民に「よんぶん」の名で親しまれる同会館40年の歴史と同市の「文化」について、岡本敏宏館長に聞いた。
「1988年の初の市民ミュージカルを皮切りに、市民オペラ、市民演劇といった市民参加型の企画に多く取り組んできた。まちかどコンサートやジャズフェスといった市民中心の実行委員による催しのように、四日市の文化芸術に携わる人々の熱意は大きい」と、市民と共に刻んできた同館の歴史を振り返る。「『文化不毛』と言われたのは、近代以降産業都市として栄えてきたことの裏返し。他市町村と比べても四日市の文化活動は遜色なく、豊かだと言える」。
昨年度から同海山道町の三浜文化会館の指定管理者も担い、「三浜で作品を創ってよんぶんで上演する」という形の定着に向けて、各種ワークショップの充実化を図る。近年の展示事業では従来の萬古焼に加え、独自の企画にも力を入れている。40周年記念特別企画展として、9月4日(日)まで「伝統工芸に未来のヒカリを展」が開催中だ。
岡本館長は、「これからも人と文化芸術をつなぐ場としての役割を果たし、四日市の文化を発信し続けていきたい」と抱負を語った。
※2022年8月6日発行 紙面から