プロの朗読劇の照明づくりを体験できるワークショップ(主催・四日市文化会館)が3月に四日市市海山道町の三浜文化会館で開かれ、演劇やイベント運営に興味を持つ20代から60代の受講者7人が、1日かけて照明プランニングの現場を体験した。収録した公演内容は、動画サイト「YouTube」の「よんぶんチャンネル」で配信されている。
最初に基礎知識を学び、この日収録する劇の通し稽古を見学、お互いの意見を出し合い、本格的に機材を扱う。講師を務める照明デザイナーの花植厚美さん(51)の「舞台上は嘘の世界、夕日などの明かりも嘘ですよね。身の回りにあるたくさんのヒントを拾って嘘×嘘で本物を創りましょう」との言葉に熱心に耳を傾けた。名古屋の劇団に所属する松山理映さんは、「巡回公演をするときは、自分たちで裏方の照明仕込みをするので、勉強したくて」、県立高校の演劇部顧問・水谷宏樹さんは、「普段は機材や設備に助けられているが、手元にあるものを工夫して使うという考え方に脱帽した」と話す。
東海圏で活躍する俳優2人による「いまからいまから」は、40代の女友達の人間模様を描いた20分の会話劇。ワークショップの担当者は「受講者が協力し、劇中の世界観を照明という手段で表現した本番をぜひ見て」と呼び掛けている。
※2022年5月7日(207号)発行 紙面から