印鑑の製造販売を手掛ける日本ワード(四日市市西伊倉町、川合貞義社長)は、個人の医療情報登録や110番通報など6つの機能があるスマートフォンアプリ「命を守るアプリ」を販売している。【アプリを表示したスマートフォンを手にする川合社長=四日市市西伊倉町で】
印鑑の製造技術を生かして、二次元バーコードから持病や薬のなどの医療情報を読み取ることができるチタン製の首飾りを販売していた同社。防犯用の笛としても使用できる商品は販路も広がっていたが、費用などの面に課題があった。そこで、「より安価で役に立てるものを」とスマートフォンのアプリ機能を活用できないかと知人の業者に開発を依頼。川合社長の提案で「メディカル情報」「110番通報」「119番通報」「緊急連絡先」「笛を鳴らす」「ビデオ通話」の6つの機能があるアプリが完成した。2018年11月から、防犯や防災、急な体調異変などに役立ってほしいと「命を守るアプリ」として販売(税込み840円)が開始された。
「いざというとき、通報番号が出るので安心」「電話やメモではなく、アプリひとつで網羅できている」など評判になっている。笛を鳴らす機能は、防犯や災害で閉じ込められたときなどにも使うことも想定。ビデオ通話はあらかじめ相手を登録すれば、アプリの操作だけでつながるので、一人暮らしの高齢者と家族が連絡を取り合う時などにも活用できる。
川合社長は「あおり運転などの被害を聞き『何番だったか』などと混乱してしまうときでも、アプリでは表示に従って操作すれば通報できる。身を守り、命を守るために役立てば」と話していた。
(2022年3月12日付発行 YOUよっかいち第205号掲載)