四日市市はこのほど、産業の振興、発展に多大な功績のあった人を表彰する「四日市市産業功労者」の表彰者を発表した。今年度は商業の分野から、水九印刷(富士町)の代表取締役・水谷愼志さん(60)、工業から浅岡窯業原料(阿倉川町)の代表取締役・浅岡史郎さん(67)、阿竹印刷工業(富田一色町)の監査役・阿竹一之さん(75)の3人が表彰を受けた。【表彰状を受け取った阿竹さん、浅岡さん、水谷さん(左から)=四日市市役所で】
水谷さんは四日市商工会議所青年部初代会長に就任。会員の資質向上に努め、勉強会や講演会を開催するなど青年部活動の礎を築くなどした。また、社業では2000年に印刷業として三重県初のISO9001を取得した。また、業務の明確化や印刷製造工程のフルデジタル化を実施したほか、Web制作部門により地域情報の発信に力を入れるなどの功績が讃えられた。
産地唯一の陶土メーカーとして、地場産業である萬古焼の事業者に精製陶土や各種原料の安定供給に尽力してきた浅岡窯業原料の代表取締役に07年に就任した浅岡さん。新商品の開発や新技術の研究、窯業原料の枯渇などの資源問題や環境問題に積極的に取り組んできた。土鍋のふたと本体の重量を従来品に比べ、2割ほど軽量化する技術を確立するなど、萬古焼業界の発展、地位向上に大きく貢献した。
阿竹さんは1994年に阿竹印刷の代表取締役に就任。三重県印刷工業組合副理事長などを歴任、同組合の青年部立ち上げに関わり、印刷物の知的財産権の強化など、印刷業界の課題を認識し、国などに要望するなどもした。
表彰式が3月8日、四日市市市役所であり、森智広市長が表彰状とメダルを手渡した。式後、「いただいた表彰に傷をつけぬよう、今後も地域のために頑張っていきたい」(水谷さん)、「まさか功労者として表彰していただけるとは思わなかった。日々してきたことを評価いただき、うれしく思う」(浅岡さん)、「様々なものが変わってきているが、その時代に合った業界でありたい」(阿竹さん)などと3人は表彰状を手に話していた。