家業のかぶせ茶の生産をしながら、今年4月に新たに野菜の生産も始めた四日市市水沢町の伊藤俊寛さん(25)。JAや先輩農家に支えられながら、知識と技術を身に着け、安定した収穫ができるよう熱い思いを胸に日々努力している。
幼い頃から家族でかぶせ茶栽培をし、今でも繁忙期は寝る間もないほど忙しい。しかし日本茶離れが進み、年々需要が減っていることを感じていた。「急須でいれたお茶の美味しさを知ってほしい」と願いながらも、将来を見据え、野菜の生産もしていかないと厳しいと考え、就農の決意をした。家族が野菜作りをしていたが、出荷はしていなかった。国の農業次世代人材投資資金を利用し、「JAみえきた」の指導を受けた。
予想以上の労力
春キャベツとスイートコーン、カボチャの生産を始めたものの、茶の作業と並行するのは予想以上に労力が必要と分かった。かぶせ茶の収穫期に春キャベツの消毒が思うようにいかず、収穫量は作付けしたうち6割ほど。カボチャの収穫期も重なり、朽ちて収穫できず、悔しい思いをした。
実直で謙虚な姿勢
白菜と秋冬キャベツ、ブロッコリーを育てる。就農前に作ったハクサイは大きくなりすぎたので、今年は出荷に適したサイズでの収穫を徹底する。昨年は1個切り取るのに1分ほどかかったが、今は数秒で切り取れるようになり効率が良くなった。
「野菜栽培について語れる力量はない」と考え実直で謙虚な姿勢で臨む。「将来はスーパーの地元生産者のコーナーで、自分の名前を付けた野菜を置いてもらえるようになりたい」と語った。
*白菜を使ったレシピ紹介