東京五輪に出場し、四日市市出身で初のゴールドメダリストとなったレスリング女子53キロ級の向田真優選手(24)が帰省した。幼い頃に通った四日市ジュニアレスリングクラブを訪れ、子どもたちに金メダルを見せるなど交流を楽しみ、表敬訪問で訪れた同市役所では、四日市市スポーツ特別栄誉賞の授与を受けた。【表敬訪問時に金メダルを手にする向田選手=四日市市役所で】
【四日市ジュニアレスリングクラブで子どもたちにメダルを見せる向田選手(四日市ジュニアレスリングクラブ提供)】
8月6日、決勝戦で中国代表の龐倩玉選手と対戦。過去に4回戦った相手だったが「初めて戦うと思い自分のレスリングをしよう」と挑んだ。序盤に4対0で先制点を取られるも「後半が勝負と思っていたので、焦らなかった。最後の最後で皆の応援を感じ、背中を押してもらい、力を出せて逆転できた」と話した。森智広市長は「31万人の四日市市民に勇気を与えてくれた」と向田選手を称えた。
東京五輪で金メダルを獲ることが夢だったが、出場内定後は辛いことも多く、何度も辞めたいと思ったという。しかしメダルを手にしたことで、応援してくれた人や支えてくれた人が喜んでくれることを感じ、もう一度この舞台戻ってきたいと思ったそうだ。「コーチや会社と相談し、次の目標を立てパリ五輪に向けて頑張りたい」と意欲を語った。
長期的なビジョンへの質問に対し「海外のレスリング選手は出産後も続けている人も多く、かっこいいと憧れてきた。自分もママになっても挑戦し続けたい」と笑顔で話した。
また応援してくれた次世代の子どもたちに「今まで世界選手権などでは勝ち続けることができなかったが、五輪では最後まで諦めず戦い続け、努力が報われると学んだ。今頑張っている子たちは諦めずに努力を続けてほしい」とエールを送った。