動物愛護団体「つむぎ」
四日市市を拠点に活動する動物保護団体「つむぎ」(服部千賀子代表)は、市内や菰野にいる野犬を保護する「野犬全頭救出プロジェクト」を昨秋から始めている。【野犬として保護された一歩と服部さん(2021年3月下旬撮影)】
以前から、捨てられた犬が野山などで繁殖するなどし、野犬として群れで生活する様子などが四日市、菰野地域で目撃されていた。市のホームページで公示されることなどはなく、殺処分されることに心を痛めていたという。
そんな中、保健所で6匹の子犬が生まれた。そのうち、2匹は引き取りにいったときには死んでいて、4匹を病院へ連れて行ったが1匹を除き死んだ。数日後に残った1匹も息を引き取った。母犬の中には死んだままの子犬が2匹残されていることも分かり、母犬も死んでしまった。「もっと迅速に動けていれば」、後悔の気持ちを抱いた時、「野犬を助けたい」と会員らは動き出した。
住民からの通報などで保健所が捕獲する野犬は公示がないそうで、同会では協力を依頼。やりとりを繰り返す中で、野犬が捕獲された時は連絡をもらえることになった。これまでに保護したのは40匹近くになる。
代表の服部さん宅で過ごした雄の「一歩」も野犬だった。最近、正式な譲渡が決まった。保護された時は飲まず食わずの状態が続き、表情も今とは全く違ったという。
野犬というと「かみませんか」という反応が多いという。しかし、服部さんによると警戒心は強いものの、人と接することに慣れていないだけで、むやみにほえたりすることもないという。
定期的に開催する譲渡会にも参加し、預かり先などが決まることも増えてきた。服部さんは「地域にいる野犬全頭を引き取ってゼロにしたい。野犬のイメージを変えていきたいですね」と一歩をなでながら話した。
同会の活動はブログで発信している。「つむぎ 四日市」で検索できる。
(2021年5月15日発行 YOUよっかいち第195号掲載)