市営住宅の空き住戸を活用 四日市と自治会などが協定締結

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 空き部屋が増え、高齢化の進む市営住宅を、老若男女が集い、皆が安心して暮らせるよう環境を整えていこうと、四日市市は、あさけが丘、坂部が丘の自治会や地元団体、四日市大学などと協力した取り組みをスタートさせる。【協定の調印式に出席した関係者ら=四日市市役所で】

 あさけが丘では4月から、高階層(4階)に同大学の学生が2人入居し、自治会にも加入。自治会の活動や見守り、災害時の共助活動など、若い力を地域づくりに生かすことが期待されている。市によると、公営住宅への入居は東海地方初だという。

 内装設計は「無印良品」を運営する「良品計画」が実施。内装の一部は学生と他の住民が自ら仕上げる予定で、住宅設計などを手掛ける「フォレスト・オオモリ」(同市札場町)が技術指導するという。

 一方、高齢化率が75%に迫っているという坂部が丘4丁目では、四日市市社会福祉協議会と協力し、住民が主体となって交流拠点施設の整備に取り組んでおり、4月1日の開所を目指す。ここを拠点に各種の行事を実施することで、引きこもりや孤独死の防止、認知症対策などに役立て、福祉相談を実施して専門的な福祉サービスにつなぐ環境づくりも進めていく。

 2月13日には「高齢者の安心を支える活動づくりに関する協定」の調印式が市役所であり、自治会や四日市大学、協力事業者の担当者らが出席。森智広市長は「素晴らしい協定を多くの方々と結べることをありがたく思います。新しい血を入れて団地の活性化に力を入れ、街全体の姿勢住宅が盛り上がっていく流れを作っていきたい」と期待を込めて話した。