マイクロプラスチックを調査 四日市大学環境情報学部

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   海などに流れ出て紫 外線や波によって微小断片となった「マイクロプラスチック」が、生態系に影響を及ぼす可能性があると考えられ、地球規模の問題となっている。四日市大学(四日市市萱生町)環境情報学部では2017年から、伊勢湾の海岸を中心にマイクロプラスチックの調査を続けている。【採取したプラスチックを仕分けする学生たち=四日市市萱生町で】

 同大学ではこの問題を「特定プロジェクト研究」と位置付け、複 数の研究室で取り組んでいる。20年前から伊勢湾の環境調査に取り組む千葉賢教授のもと、同学部の学生たちは昨年2月、鳥羽市の答志島の奈佐の浜でマイクロプラスチックを調査し、 1平方メートル当たり約6万個存在するという結果を得た。方法や精度は異なるものの、2008年に鹿児島大学が伊勢湾で実施した調査では平均4千38個だった。
 
   昨年5月、四日市市楠町吉崎の吉崎海岸での調査は、海水を入れた箱に砂を入れ、浮上するマイクロプラスチックをすくい取って回 収する方法を選択。稲作を中心に国内で広く使われ、化学肥料をポリエチレンなどでコーティングした「徐放性肥料」の被覆プラスチックが最も多く、発泡スチロール、プラスチック原料のレジンペレットが続いた。

  2年の岡本拓真さんは「徐放性肥料プラスチックの多さに驚いた。水田などからの流出を防止する装置の開発が必要」と見解を話し、千葉教授は「プラスチックは便利で大切な素材。リサイクルの推進や生分解性プラスチックの開発は重要だが、まずは企業と個人がプラスチックを適切に管理することが大切」と語った。

(2020年1月11日発行 YOUよっかいち第177号掲載)