10月31日に発生した火災で正殿などが焼失した首里城(那覇市)の再建を願い、沖縄県石垣市出身の武富弘純さん(66)は、自身が四日市市九の城町で経営する沖縄料理店「サスケ」に募金箱を設置し、「少しでも皆さんの善意を届けたい」と呼び掛けている。【首里城再建への募金を呼び掛ける武富さん=四日市市九の城町で】
武富さんは中学卒業後、名古屋にある柔道の強豪高校へ進むため郷里を離れたが、沖縄の音楽、風景、海などへの愛着は離れているからこそより強く持ち続けている。火災当日の朝は「大変、大変」と叫ぶ妻の声で目が覚め、テレビ画面には映画セットのように崩れ落ちる首里城が映し出された。
沖縄に住む恩師や同級生、取引先の人たちも心を痛めており、来店客の後押しもあって募金箱を置くことを決めた。会計後の釣り銭だけでなく、時には若い人たちが「少しだけでも」と入れてくれたり、わざわざ訪ねて募金してくれたりする人もいた。「沖縄は四日市でこんなに好かれていたのか」と胸が熱くなったそうだ。
11月5日から20日までに9万7804円が寄せられ、現地の新聞社や金融機関を通じて寄付した。
問い合わせは同店TEL059・354・3986(日、月曜休)へ。
(2019年12月7日発行 YOUよっかいち第175号掲載)