【連載:「ひと」育て 「企業」育て】三重県四日市市のタウン紙『タウン情報YOU四日市』

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【九鬼産業】ゴマを知ることは会社を知ること

九鬼産業 渡辺伸祐社長

九鬼産業 渡辺伸祐社長

問題意識持ち、自主的に

 「ものづくりは人づくり」。どこかで聞いたことがある言葉だろう―。地元で生まれた会社が多くの人を育て、地域を育てていく手法は、それを考える会社の数だけ存在する。四日市で生まれ、育った数多くの企業は、どのように人を育てているのだろうか。
 ゴマ製品を製造販売する「九鬼産業」(四日市市尾上町)の渡辺伸祐社長(54)に、人材育成の方法や将来のビジョンを聞いた。

 九鬼産業は明治中期の1886年に「四日市製油」として創立し、菜種油の他に、当初からゴマ油も製造していた。昭和40年代からゴマ製品への特化を進め、現在はゴマ油だけでも10種類以上、食品ゴマ、加工品など数多くの商品を生産している。
 国内産ゴマは生産量が少なく、加工用のゴマは世界30数か国から輸入し、独自の焙煎方法で商品化。原料を輸入に頼らざるをえない一方で、製造過程で出る残りかすを原料として、自社工場で有機質肥料を製造している。その肥料を使ってゴマを生産した農家からは全量買い上げすることで、国内でのパートナーづくりや遊休地の利用促進に寄与している。
 また食品会社の責務として、「安全安心のため、必要なものはすべて公開する」ことに重きを置く。原料産地や残留農薬の検査結果などが分かるトレーサビリティ(生産履歴管理システム)など、信頼につながるシステムづくりを積極的に進めている。

新人研修

 「ゴマを知ること」すなわち「仕事を知ること」。新入社員は5月から半年、大紀町にある自社農場で先輩社員と一緒に合宿し、種まきから収穫まで、ゴマが生育する流れを実際に学ぶ。製品として扱うゴマを大切に育てることで、全員がゴマを語れるようになってほしいからだ。

誰もが窓口に

 「全員が仕事を理解し、同じ方向を向いていることが大事」という渡辺社長。「どんな来客や問い合わせがあっても、新入社員やパート職員などを問わず、誰もが同じように案内ができるように努めている」。ホームページ上のブログも、ゴマを使ったレシピや社内の日常などをスタッフが自主的に更新している。
 近年では国内だけでなく、輸出もアメリカや中国向けを中心に伸びをみせている。また、ゴマを使ったメニュー提案に力を入れていて、管理栄養士が提案に協力し、レシピや試作品を提供。顧客から高い評価を得ているという。

次世代に

 渡辺社長は故郷の神奈川県で子どもたちにラグビー指導を20年以上続けていて、同社は三重県内の高校や小中学校などとの交流も深い。社内のスタッフも含め、次世代を担う若者たちと接する機会の多い渡辺社長は「一人ひとりが問題意識を持ち、自主的に仕事に取り組む職場を作り上げていきたい」と考えている。
    ◇
九鬼産業株式会社
本社所在地/四日市市尾上町11
資本金/6千万円
従業員/187人(パート職員含む、2010年12月現在)
売上高/73億6千万円(10月決算、09‐10年実績)

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