【第137号(2017年11月4日発行) 14面】三重県四日市市のタウン紙『タウン情報YOU四日市』

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第137号(2017年11月4日発行)記事 14面

最古級の貨車 偶然重なり“里帰り” 解体予定知り保存へ


旧関西鉄道鉄製有蓋貨車の前に立つ南野さん=いなべ市大安町の三岐鉄道丹生川駅前で

茨城から三重へ

 117年前の明治時代、関西(かんせい)鉄道四日市工場で作られた鉄製の有蓋貨車が今年9月末、いなべ市大安町のNPO法人「貨物鉄道博物館」に収蔵された。茨城県の関東鉄道竜ケ崎駅の車庫で長年倉庫として使われ、8月末に解体予定だったところ、「日本最古級の貴重な車両を保存したい」と強く願う人々の思いと偶然が“里帰り”に導いた。
 同NPOの理事を務める四日市市八千代台の建築士、南野哲志さん(46)は、以前からこの貨車の存在に注目していたが、「いつどうなるかまでは知らなかった」。8月初め、市立博物館(同市安島)で開かれていた企画展「メイド・イン・ヨッカイチ」で、数ある展示品の中に偶然、この貨車の写真を見つけた。その説明文には「8月末に解体予定」と書かれてあったため、驚いたという。
 「三重に戻すなら今だ」。一刻を争う中、NPOを通して正式に関東鉄道へ譲渡を申し込み、快諾された。盆休みに関東を旅行していたNPOのスタッフが竜ケ崎駅へ調査に訪れ、9月下旬、はるばる茨城から三重へトレーラーで運ばれた。
 南野さんによると、この貨車は四日市に本社を置いた私鉄・関西鉄道の工場(現在のJR四日市駅東側付近)で1900(明治33)年に製造されたもの。車輪やブレーキ装置は失われているが、日本で現存する鉄道貨車の中では最も古い可能性があるという。車体には100%外国製の鋼材を使い、それを示す刻印が見られる。
 「鉄製なのによく残れた」。戦時中の金属供出を免れ、廃車後も運よく倉庫として存続、朽ちるほどはさびておらず、輸送にも耐えられた。南野さんは「昔の状態を残しつつ、どのように修復するかが課題」と頭を悩ませながらも、貴重な明治の産業遺産をうれしそうに見つめた。


貨車内は天井も鉄製で手が届く高さ

もう一つの偶然

 ところで、このニュースを喜ぶ人がもう1人いる。前述の企画展で貨車の写真を展示した人物、四日市市立博物館の学芸員、廣瀬毅さんだ。関東鉄道から解体予定の情報を聞いていたため、残念に思いながら説明に付け加えた一文が、こうした出会いを生んだ。「誰かが気付いて良い方向に動けばと願いを込めた。残って良かった」と声を弾ませた。
 貨物鉄道博物館の開館は毎月第1日曜。11月は5日(日)午前10時から午後4時まで。入館無料。
 問い合わせは同博物館事務局 電話059・364・2141(三岐鉄道内)へ。

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※掲載内容は取材時によるものです。詳細は、各施設・店舗にお問い合わせください。

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